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関東平野
「なぜ劇画を描くのか?」と問われれば、 「風景を描きたいから」と答えたい。 それは原体験よりも原風景の方が、 その人に与える影響が強いように思えるからである。 少年期を疎開先の関東平野の片隅で過ごした私の日常は、 いつも地平線のなかにある。 眼を閉じれば、 私の原形が逆さになって地平線に浮いている。 この『関東平野』は、私のメモである。 いつもポケットにしまい込み、 くり返し眼を通す、あのメモ帳である。 〜上村一夫〜